第8章 精神状態

『恐らく疲労と寝不足でしょう
栄養失調の傾向にもあります
こんつめて勉強し過ぎです
様子見次第で入院でしょうね』


「…はい、ありがとうございました」




なんで気づいてあげられなかったんだろ



診察室を出ると、

皆が一斉に駆け寄ってくる。




「…どう、だった？」

「疲労と寝不足だって。
栄養失調にもなりかけてるって」



本当は誰もが安易に想像出来た事



病室で静かに眠る翔くん。





顔はやつれてて、
確かにやせ細っていた。





誰も口にしないだけで、



絶対に自分のせいだって思ってる





「…大丈夫かな」



雅紀くんが呟く。




「大丈夫なわけないだろ！！
俺らがあんなふうに！
あんなふうに変えたんですよ！！」



「和、落ち着いて。
騒いだら迷惑でしょ？」




智くんが、

優しく肩を叩く。




「もう限界だって言ってた。
無理かもしんないって言ってた。

俺、ちゃんと気づいてやれなかった
忘れたふりしちゃった…っ。」





顔を隠し、俯く和也くん。



「……知らねえよ、俺は」




潤くんが言った。


唇を強く噛み締めて、
まるで怖がっているみたいで。