第7章 責任
「家族が壊れたとか、
別に皆はそんなこと思っ…」
「……関係ないだろ。和也には」
「え?」
あっ、と口を塞ぐ。
和也は一瞬、目を逸らして
こちらを見ると
ニコッと微笑んだから。
俺はギュッとペットボトルを握った
「俺はいいよ。
どんだけ言われたってさ。
慣れてますし。平気。でも、
他の人にしたら、ダメだよ。兄ちゃん」
ね?と笑う和也。
「…俺、どうしたらいいか分かんない」
「父さんとのこと?」
「もう限界。無理かもしんない」
「なに、が?」
「…なんでもない。忘れて」
心臓がバクバク言っていた。
苦しいわけじゃなくて
「………うん」
あの時、父さんが出て行った、
その次の日の和也は。
俯いて泣いていた。
声を掛けようとしたら、
顔上げずに小声で囁いたんだ。
「……俺が落ちこぼれたから」
何も言えなくて。
言うことも、出来なくて。
手が震えていた。
俺のせいで皆が壊れてるんだ。