第7章 責任
喉が乾いたから、と
リビングへ行こうとすると
「……っわぁ」
入り口の横で座り込んで、
眠ってる和也がいた
ああ……、こいつ。
「和、起きて。おーーい。」
揺さぶると
薄ら目を開ける和也。
にへ、と笑う和也は
ゆっくり立ち上がる。
「飯、食べよ」
「…誘い方女子かよ、可愛いな」
こつ、と叩く。
いつもそうだ
家族の誰かが悩んでたら、
絶対に気遣ってる雰囲気出さないくせ
自然と傍に居て優しくしてくれる。
自分の気持ちは後回しにして。
「翔兄ちゃん、はさ。」
冷蔵庫を開けて、
飲み物を探してるときに
和也が頬杖ついてこちらを見てた
「まだあん時のこと、
引きずってたりするんですか」
ちら、と見る和也。
あん時、あん時…。