第7章 責任
私がキョトンとしてると、
智くんが話してくれた。
「前に話したでしょ?
翔ちゃん、自分が頑張れば
家族が元に戻るって信じてるって」
確かに…。
前に聞いたことがあった。
「翔ちゃんは家族内でも学校でも
勉強も運動も一番を取り続けてた
無理してるのも見てれば分かる」
「だから無理しないでって言ったんだ
でも翔兄ちゃんは笑ったんだ。」
「…え?」
「俺が頑張らなきゃ駄目だって」
皆が下を向く。
翔くんが…、そんな大きなもの
背負って何を頑張ってるの?
「私、明日にでも話聞いてみるね」
事情を知れば、
なんとか出来るかもしれないし。
よし!と意気込んだら、
「無駄だよ」
潤くんが言い放った。
その目は、暗くて
「…無駄だよ。そんなの」
箸を置いて、
ごちそうさまと言い
リビングから出て行った。