• テキストサイズ

母親代理人

第5章 喧嘩





なんとかして高校へ着き、
職員室に入ると潤くんと和也くん。


それから少し怪我した男子生徒2人




…イヤな予感しかしない。



「…遅くなりましたっ、」

『お母様代理の方ですか?』
「はい」


先生は深いため息をつき、

『…喧嘩、ですよ。また
反省の色が見られないんですよね、』


まるで愚痴を零すように言う先生。



潤くんの拳が目に入る。


…血が出てる。
殴ったんだ


「…申し訳ありませんでした」



頭を遮ると、
焦ったような声で潤くんが叫ぶ



「なんで頭下げてんだよ!!」


反抗、なのか。

それとも他に理由があるのかはわからない。


けれど彼の表情は、
泣きそうなのに怒っていた。



「悪いことしたら、
保護者が代わりに謝るの。
理不尽でも手出したんでしょ?
ちゃんと謝りなさい」



潤くんはキュッと唇を噛み締めた


和也くんは相変わらず、
すすり泣きしながら俯いてる



「……お願い、潤くん」


「わかった。謝るよ」




潤くんは目こそは睨んでるけれど、
ちゃんと頭を下げ「ごめんなさい」と言った



なんで喧嘩したの?

なんで悲しそうなのに泣いてないの?


あの日の夜の会話が、



嫌と言うほど脳内で響いていた。





2人を連れ、歩く帰り道。


潤くんが言った。


「アイツがわりぃんだ、アイツが」


「潤くん、ごめん。俺のせいです」


「……別に和のためじゃねぇし
ムカついたから殴ったんだ!!」


潤くんは髪の毛をかき乱し、
走ってどこかへ行ってしまった


聞かなきゃと思う半分、



怖いと思う自分が心にいた。




/ 139ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp