第5章 喧嘩
「同じ、ってどういうことやねん」
隆平くんが聞いた。
祐也くんは何言ってるの、という顔で
また言った。
「あの子、ご飯も洋服も
何もしてもらえてないってことだよ!」
育児放棄されてる、っていうこと?
平然と答えた祐也くんは、
少しだけ心配そうな顔をしていた。
「錦戸くんにもわかったんだよ
ぼくたちも、ほうっておかれてたんだって」
錦戸くん、
彼はどうして私達に声を掛けたのだろう。
助けて、と
SOSを出しに来たのだろうか
「行くで、祐也」
「うん!」
ニコニコ笑顔の彼らの、
笑みの奥にある闇は
私に取り除けるのだろうか?