第5章 喧嘩
小学校は割と大きくて、
体育の授業なのかたくさんの子がいた。
キョロキョロ見回す忠義くんを他所に
自称王子様の祐也くんはキラキラの目
「あいつ、人見知りとかすんのかな」
「せぇへんやろ
年上の兄ちゃんにも話しかけるぐらいやしな」
祐也くんは楽しそうに体育の授業を見つめていた。
「祐也、中入んねんからうろちょろすなよー!
お前だけ置いてくで。」
「ま、待ってよぉー!」
バタバタと後を追いかけてくる祐也くんが、
ぱた、と立ち止まった。
振り向くと、
視線の先にはムスっとした表情の男の子
ボロボロの服(私服制)を着ていた。
私達を見るなり、
バタバタ校舎の中へ入ってった。
「どぉーしたん?」
「ううん、なんでもない!」
チラチラと振り向く祐也くんの
言いたいことは何となく分かっていた
でも、わたしには何もできないんだよね…