第5章 喧嘩
7時半、
そろそろ雅紀くんが家を出る時間だ
「やーべぇ!行ってきまーーす!」
「うぃー、行ってらっしゃい」
忙しく出て行った雅紀くんと
入れ違いでやって来た潤くんと和也くん
珍しい寝坊、潤くん。
智くんがチラッと2人を見る。
「学校はちゃんと行けよ」
また視線をご飯に戻す。
むすっとした潤くんと和也くんは
曖昧な返事をして椅子に座った
「なあなあ、お姉ちゃん」
忠義くんがパタパタとやって来た。
「お膝の上に座ってもええかなー?」
照れながら言うもんだから、
ちょっと可愛い。
いいよと許すと「わーいっ、ふふ」と
嬉しそうに飛び乗った。
「小5で甘えん坊ですか〜、
まだまだお子さまですねぇ?」
和也くんがニヤニヤしながら言った。
「俺はええねん、
お姉ちゃん好きやから甘えん坊でええの」
なー?と私に聞いてくる。
上目遣い可愛いって、
「そうだねー」
にこっと笑うと、
忠義くんはボッと顔を赤らめ
「…あーつい」
と手でパタパタ煽る。
「じゃあ、俺も好きだったら、
膝上に座ってもいいですかね?」
「それはただの変態だな」
「え、マジか」
「ある意味な」
えー、と笑う彼は
そう言う事を言い慣れてる感?
そういうのが感じ取れた。
「りゅうへい兄ちゃん知ってる?
WiiFitって、上に乗って遊べるんだって」
「せやねん、歩くと画面のプレイヤーも
一緒に歩くんやで、画期的やろ」
「かっきてき、ってなに?」
「俺もわからん」
おいおい、中2男子よ
それぐらいは知っておこうぜ!