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母親代理人

第5章 喧嘩



そう言えば、、、



と思い出したことを三兄弟に告げてみる。




「隆平くん達の学校だけどね」



そう切り出すと、
ちょっと泣きそうな祐也くん。


「おん、転校すんねやろ?
 俺は別にええで、友達とか居らんし」


「俺も〜。どうせ友達おらんやったしな」



2人はあっさりしているのに、



小学2年の祐也くんは
やっぱり転校、と言う言葉に敏感で


不安そうな顔をする。




「...知らない人ばっか....やだな...」


「きっとお友達できるよ!」



そう励ますと、




「無理だよ、だってどうせ
 またすぐ転校するんでしょ?」




そう言い放った。



隆平くんが慌てて祐也くんを
引っぱたいたけど、


何も言えなかった。




引き取るなんて、決まってなかったから。




「そうネガティブな事言うからやで。
 明るくならんと人も寄ってこぉへんで」


「…こわいもん」

「兄ちゃんおるから大丈夫やで!
 それにな、転校生ってモテるんやで!」



ニコニコ笑う忠義くんを、
祐也くんは「ほんとお?!」と


キラキラした目で見つめる。



楽しみ〜!と叫んだ祐也くんだから、
少し安心かな。





「あ、そうそう。
 雅紀くん、これ」



と今さら預かっていた紙を渡す。


「あー、ありがとう!
 翔兄ちゃんに貰うの忘れて寝ちゃって〜」


「ごちっ。おれ、先に行くね!」



カバンを取り、
バタバタと出て行った。



まだ7時だというのに、なんでだろう




雅紀くんも食べ終わり、
のそのそ着替え始める




「翔、どーしたの」



智くんがそう聞くと、



「翔兄ちゃんね
 ちょっと頑張りすぎてるみたいなの」



雅紀くんは眉を下げ、
困った顔をする


ふーん、とだけ相槌を打つ智くんは
ご飯を口いっぱいに放り込んだ。







 
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