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母親代理人

第4章 初対面






唇を強く噛み締めて、
止まらない涙を服で拭ってる祐也。




「ぱぱに会えないの…
 なんで、なんで死んだの…
 ぼくのせい?ぼくが居たから?
 いやだよぉおっ……」


「ちゃうで、祐也のせいじゃないねんて
 ぱぱな、病気やってんで
 けど治す金がないから病院に
 行かへんかってんて、
 祐也のせいじゃないねん」





俺らは受け止めるものが多すぎる。



祐也は特にだ。





「兄ちゃん分かったやろ、
 安易な言葉、行動仕草で
 傷つけてまうねんで、わかってんの」






「……、」



「忠義、その辺にしときぃや」




振り向くと、兄ちゃんとお姉ちゃんが
買物袋下げて立っていた。



一気に涙が溢れ出した。





「ごめんね、お留守番させちゃって」



お姉ちゃんが駆け寄って来て、
頭を優しく撫でるから


俺はギュッと抱きついた。



「ちゃうねんっ…ちゃうねんっ…」




怖かった



お兄ちゃん達の目が、
邪魔やって言われたらどないしようって



祐也が居るから泣けへんかったから

苦しかった。





「お姉ちゃんがちゃんと説明しなきゃだったね
 ごめんね。怖かったね」




「りゅうへい兄ちゃんっ、
 ぱぱにはもう会えないって…っ
 ぱぱね、もう死んだんだって…」




「祐也...」


「ぱぱっ…に……」


ぐちゃぐちゃの顔



「祐也、ぱぱな
 天国に行っただけやねん
 いつか祐也に会うためにな、先に
 天国に行って待ってんねんけど」


「....うん」

「祐也がおっきくなって、
 しわくちゃお爺ちゃんなって
 そして死んだらぱぱに会えんねん」

「ほんと?」

「ほんまやで。
 やからちゃんと生きて頑張らなあかんで」


「ぼくがんばるっ!」





「ええ子」




兄ちゃんは、


祐也の頭をよしよしなでた。
すごい、俺でも慰めきらんやったのに....





 
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