第3章 三人兄弟
「ここがお家だよ、大きいでしょ!」
「…金持ちのボンボンが
住んどるんちゃう……?」
「フォアグラとか出るんかな!?兄ちゃん!」
「…お城みたぁい…」
ぽかーんと上を見上げる祐也くん
確かにお城みたいなデザインだね。
好きなのかな?お城。
「祐也くん、お城好き?」
「うん!ぼく、おっきくなったらね、
かっこいい王子様になるんだ!」
キラキラの目でそう言った。
確かになれそうな気もするけど…
ここ、王国じゃないから王子様は無理だよ。
「無理やって〜、
祐也はちゃらんぽらんのアホやからな」
「なれるもん!」
「王子様やなんて、夢のまた夢やで」
「なれ…る……もんっ…グズッ…」
「ほら!いじめないの!」
王子様か…
あるよね、小さい頃。
女の子はお姫様とかお嫁さんとか
結構、いい大人でも憧れてたりするんだよね
現実見てるから無理って分かるけど。
「ほら、中に入ろ?」
「入るーっ!」
「おい!祐也、走ると転ぶで!」
「兄ちゃんもね」
バタバタと中へ入ると、
やっぱり祐也くんの目はキラキラ
見るものすべて綺麗に見えるみたいで
「あのおっきいキラキラ、なに?」
「シャンデリアっていうの」
「へーえ!しゃんでりあ!」
一つ一つ、あれ何これ何質問攻め。
広いお家だと、
見えるものは違って見えるのは当たり前か
「お姉ちゃん、お腹減ったあ…」
「俺もお腹減った」
「昼飯、食いっぱぐれた」
3人揃ってお腹をさすってる
そう言えば、もうお昼過ぎてるんだ。
「何か作るね」
「「「やったー!」」」
何作ろうかな。
チャーハンでもいいかな?