第3章 三人兄弟
「ぼく、小学2年生の祐也。」
「俺は中学2年の隆平。」
「俺は小学4年生の忠義。」
「私は橘花。
3人とも、よろしくね」
3人を連れて私は五十嵐家へと向かった。
私、車はないからな…
歩くの疲れるかもしれない……
「ぼく歩くの疲れたぁ〜!」
「まだ歩いたばっかやん。」
「もう少し頑張りや」
「つーかーれーたーあー!」
とか言いつつ、
祐也くんは隆平くんと忠義くんの手を握り
スキップしながら歩いている。
「向こうの人達、怖い人達?」
「みんな優しいよ」
「…俺な、大人の人とか女の人とか
めっちゃ怖いねん。お姉ちゃんも怖い…」
「俺もやで。
このままオカンが戻ってこんで、
お姉ちゃんとずっと一緒やったらなっても思う」
へへ、と照れる忠義くん。
そやな、俺もや〜と笑う隆平くん。
彼らは一見ふつうに見えるけど、
本当は心の奥底に抱えてるものがある
それを隣に並んで、
軽くしてあげられたなら。
きっと、素敵な笑顔が見れるのに。