第17章 大学訪問
「相変わらず小さいね、すばるは。」
頭を撫でやすい位置にいるよ、君は。
そんなふうに言うとすばるは
ムスッとして頬をつねった
「痛いよっ!」
「ばーか!!!!」
悔しそうにそう叫んだ。
なんなの、いつもはこんなに
怒ったりしないのに…。
「…んで、誰に届けんねん。
俺も特別に手伝ったるわ」
「五十嵐家の兄弟だよ」
「げ、おまえアイツらと知り合いなん?」
すばるは少し嫌そうな顔を浮かべた。
5人は大学内で有名なのかな?
すばるが嫌な顔するなんて
「アイツら、」
何か言いかけた時、
バタバタとこちらへ駆け寄る足音が聞こえた
「ちゃん!!」
振り向くと、
笑顔の雅紀くんがいた
「母さんからメールきて。
ちゃんに弁当頼んだからって
こんなところで…その、何話してるの?」
ちら、とすばるを見る。
ああ。そういうことか。
「すばる、幼馴染みなの。
たまたま会って話してただけ」
そう説明すると、ほっとしたように
安心した表情を見せた。
すばるはすばるでまだ不機嫌。
「潤が空腹でイラついてて…、
その…、良かったら来てくれない?」
「いいけど…、大丈夫?」
「不機嫌なのを直せるのは、
ちゃんしか居ないからさ」
ほら、行くよっ、って
手を引かれ中へと連れられる。
すばるも慌ててあとを追ってくる。