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母親代理人

第16章 再会





「ちゃんは、
好きな人とかいないの?彼氏とかさ!」


雅紀くんがそう聞いた。


そんな質問に、
周りの4人も気になるようで。



「…確かに」

と、私の方を見る。


「いない、よ!」


と否定した


この仕事してると、
それどころじゃないからなぁ。


昔は何度も好きな人が出来たりして、
でもこの仕事が忙しくて

相手を思いやる気持ちまで持てなくて。



諦めるしか、ない恋ばかりしていた。



「……なんで嬉しそうなのよ」



横を見るとニコニコする人たち。

なんかムカつく。



「嬉しいですよ、貴女が好きなんですもん」



にこ、と微笑まれ
逆に顔がじわじわ熱くなるのが分かって、


ケラケラ笑う和也くんが

「顔あっか、」


と呟いて私を見た。



「俺らには、あんたしか見えてないんだから」



和也くんが手を伸ばした時、

それを制したのは翔くんだった。



「抜けがけすんなよ、ばかずなり。」


ムッとした顔で彼を見る。

和也くんも不機嫌な顔で、
そっと手をおろす。



「言ったろ、俺らには、
あんたしか見えてないんだから、って」


翔くんが私の方を振り返った時、



なんだか違った気がした。





いつもキラキラ笑う彼らじゃなくて、


少し大人の、本気な、

そんな顔の彼らがそこにいた。


「…あ、」


まずい。


突発的にそう思った。




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