第15章 キミノトナリデ
ーーーー隆平side
「…なあ?兄ちゃん」
「んー?」
忠義が布団を敷きながら、
俺に問いかける。
「お姉ちゃん、泣いてへんかな?」
ぴたっと手が止まり、
ぎゅっと手に力を一瞬だけ込めた。
「俺らが離れる事を選んだ、
きっとお姉ちゃんはショックかもしらん
祐也と俺は一緒やけど、兄ちゃんは…!」
「それでも、決めたことや。
お前らを守るって決めた事には変わりない
やからこそ里親もそこに決めたんやろ?
お前らやって、受け入れたはずやろ」
「…せやで、けど、けどさ。」
兄ちゃんが、泣いてるから…。
忠義がぽんぽんと頭を撫でた。
ほんまは、離れたない。
一緒におって今までみたいに
はしゃいで騒いで、楽しく過ごしたい。
けど、あの女からお前らを守るためには
一緒におったらあかんねん。
「…兄ちゃん俺らは大丈夫やで。
兄ちゃんが決めた事やもん、平気や!
それにな!同じ関西やし会えるやん。
やからさ。心配せんと笑って行こう、な?」
「…おん、ありがと、忠義…」
寝てしまった祐也の顔を見て、
「…祐也、元気でな。」
そっと頬を撫でて、
涙をこらえた。