第15章 キミノトナリデ
本当は気づいてたんでしょう?
ずっとはいられない事も、
彼らが抱いてる気持ちもすべて、あなたは。
それでも遠ざけることは、
間違ってないって思いたかった。
「……ふう。」
年の近さもきっとある。
親近感が湧いて、
みんな寂しく思ってるだけ。
「それだけ。うん、そうだそうだ。」
そう言い聞かせながら、
私は隆平くんたちの事を考えた。
いっぺんに色んなことが起きた。
彼らが、離れる選択を選んだ。
一緒にいることで、
守りたかったはずなのに。
落ちてた"関西"という二文字。
そこには、3人という文字はなく
きっと隆平くんだけが行くのだろう。
結局、私は何も出来なかったんだ。
守ろうとしたものも、
救いたかったものも、
握っていたはずの手もするりとほどけた
自分は情けない、醜(みにく)い。
明日には、ここを出て行かなきゃ。
荷物は今のうちに出しておこう。
「…きっと、大丈夫だよね」
若い人にはよくあるって言ってた。
情が湧いて離れ難くなること。
だからこその規則なんだ。
平気。すぐ戻れる。
「…だい、じょ…ぶっ……!」
震えて涙が流れて、
私は結局、弱いんだって思い知った。