第14章 反抗期
数日後。
私は自分の荷物を
カバンやダンボールに詰め始めた。
そろそろ出なくちゃいけないからだ。
一生の別れじゃない。
そんなことは分かっているのに、
涙にならない悲しみが
心の中で溢れる。
ガチャ、
「お母さん、あの…」
部屋に入って来たのは、
翔くんだった。
ダンボール箱の数に
何も言えずに立ちすくんでいた。
「……出ていくんだ」
ぽつりと呟いて、
「…やっぱり、出て行くんだね?」
そう、私に聞いた。
「うん…。もうそろそろ、
「出ていくなよ、」
「え?」
何度も何度も、繰り返した。
何度だって気持ちに
正直でありたいと願っていたんだ。
なのに現実はいつだって悲しくて。
「出ていくなよ!!
いなくなんないでよ!!
ずっと一緒だって、そんな約束ないけど
本当は、本当は俺……………!!」
「違うよ、翔くん」
貴方の気持ちが正直であるならば、
その気持ちに答えてみせるよ