第14章 反抗期
だから私がこの家族を
請け負った時点で移ることは
もう決まっているんだ。
「私、私っ…」
『一生の別れじゃないでしょう。
私がそっちに戻る前に、
貴女は契約終了の手続きを済まして
家から出なくちゃいけないけど…。
また、会えるんだから。ね?』
「…咲和さん……」
『今回はごめんなさい。
私のせいでたくさん面倒かけたわ』
気づき始めてる。
ここから離れたくないって。
でも、同時に
もうすぐ終わるんだって。
その安心感もある
『もうすぐ日本に着くわ
それまでお願いするわね』
「はい」
電話を着ると、
隆平くんの姿はそこになかった
けれど、
1枚の紙が落ちていた。
「…里親、候補?」
大阪…?
まさか大阪の家族に引き取られ…?
同時のお別れ。
ああ。
もうすぐ終わるんだって、
こういうことなんだ…。