• テキストサイズ

母親代理人

第14章 反抗期






私と隆平くん達は似ている。



助けてと言っても、
誰も助けてはくれない環境。


泣きたい、逃げたい、
でもそう出来ない立場。





もう、終わりやから、



この言葉には
なにが含まれているの?









ーーー夜




熱がある翔くんの様子を見ながら


家事を済ませていると
隆平くんが起きてきた





「…さっきは、ごめんなさい」



「…ううん。大丈夫だよ」


「あんな、俺、言わなあかんことが…




Plululu...




携帯が言葉を遮る。


出ようか迷っていると


にこっと頷く隆平くん





電話に出ると、

相手は咲和さんだった




『もしもし?ちゃん?
元気にしてる?
倒れたって聞いたの。
家の方も大変みたいだから…。
私のせいって分かってる』


「…大丈夫です、」



『…もしかして泣きそう?』


「…え」




ふふ、と笑う咲和さんが




『ほんとは知ってるんでしょう
一度請け負った家庭には
頻繁に接触する事を避けるために
事務所を移る…特に若い子は』



「さ、わさん…」


『私もそうだったから。
だからわざと遠ざけようと考えてる
別れが惜しくならないように
馬鹿ね、手遅れなのに』



「…だっ、て……」





母親代理人が母親代理を
請け負う理由は大きく分けて2つある




1つは家族内を修復するため


子ども達の精神面を
改善して和解させること。



もう1つは父親だけの家庭のため


母親のいない家庭の手助けを
してあげること。




そして共通することは、



代理人が請け負った家庭に

接触すると、
その家庭を壊す恐れがあること。



そのため、


若い子達に限っては
一度請け負うと


その地から遠い事務所へ
一時的に移る規則が設けられている






/ 139ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp