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母親代理人

第14章 反抗期







場が落ち着いたあと、


隆平くんはソファーで寝てしまい、



私と忠義くんは外へ出た。






「ほんまはさ、俺やって、
自分の力でどうにかしたい。
あんな女、黙らせて助けたい。
でもどうにも出来んことも自覚しとる
泣いてる時、兄ちゃんはさ…、
いつも庇ってくれてた。笑ってれた」



「そっか…。そうだよね…」




お兄ちゃんだもの、

助けたいって思うのは必然的なこと




でも、もどかしいんだよね…。






「昔さ、祐也が来たばっかん時。
母さんはいっつも暴力振るっとった
常に酔ってたからな…。
耐えられんくなって、隆平兄ちゃんは
近所の人達に助けてって、駆け込んだ
警察、先生、おじさん、おばさん。
出来るだけ多くにな、でもあかんかった
誰も、助けてくれへんやった」




静かに俯き、


小さく呟くように





「…嘘つくな。
あのお母さんがそないなこと、
するはずないやろ、そう言ったんやで」




隆平くん達のお母さんは



周りに愛想がよくて、
表の顔を作るのが上手い人だったみたい



自分を良く見せる方法も知ってて




だから誰も信じなかった。のかな…





「俺も助けたい。
兄ちゃんが我慢せんでええように」


「私も助ける。絶対に!」




「ふふ、ありがとお」




そう笑ったまま、
忠義くんは言った




「でも、ええねん。
もう、終わりやからさっ!」



そう、忠義くんは


言い残して中へ戻って行った。





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