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母親代理人

第2章 五十嵐家







食べ終わった皿を洗っていると、
ひょこひょことツンデレ和也くんがやって来た


ムスっとしてはいるが、
ほんのり頬が赤い。



「どうしたの?」



「いや、あの、
 手伝おっかなあ、って」




と洗い終わったお皿を布巾で拭き始める。




「俺さ、イヤなんだよね。
 居なくなんのとか、口先だけのとか
 だから、代理人ってのも嫌い
 …母さん帰ったら居なくなんでしょ?」



ジャー、と流れっぱなしの水の音。



まるでお別れの時みたい。





「咲和さんは恩人なんだよ
 捨てられた私を拾ってくれたの
 名もない私に名前をくれたの
 だから頼まれたら何でもしたいんだ」




たとえ、そこにお別れがあっても。





「……やだな…」






「…ん?」


「なんでもない。
 先に風呂に入るからね」






いつも悲しそうで、


なのにいつも突き放してきて、





ツンデレ和也くんは、
本当の自分を見せたがらない。


あの小さな背中を見つめていると、




寂しさがつたわってくる。







こんなにも悲しい家族ってあるのかな








もっと、わいわいしたいよ。






でも挫けません!
わたくし、めげずに頑張るもん!





 
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