第12章 自覚
ーーー雅紀side
学校は息がしづらい。
まばたきすら、億劫になる。
『あの五十嵐が休学って本当か?』
『本当らしいよ。』
『相当病んでたもんねー』
どこから出た噂なのか、
腹立つ噂が周りに広がる
病んでねえし。
むしろ元気みたいっていうか。
ていうか、
元気に見えるから、
ちょっと心配なぐらいだっつうの!
成績表に記された、『B+』の文字。
ここの学校には成績の順番を
優秀とされる記号から
S→A+→A→B+→B-→C→D-
つまり俺の順位は
全体でいうところ普通
「はぁ…」
この進学校に入学したのは、
単に目立ちたかった。
それだけ。
翔兄ちゃんがここに入って
いつもキラキラ笑ってて
本当にかっこよかった
勉強は好きだし、
別に天才肌で
やれば大体は出来るから。
平気、そう思ってたのにな
『なあ、五十嵐弟』
振り向けば翔兄ちゃんと
同じ学年の人達。
この人達、たしか
『翔のやつ、病んでるってマジ?』
『休学するってやらかした感じ?』
『ノイローゼとか鬱とかそっち系?』
「ちげえよ、お前らと同じにするな
兄ちゃんは頑張りすぎたから休んでんの
腐ったお前らとはちげーの。」
なんか、
分からないけど。
『…ちょ、そんな怒んなよ』
『軽いジョークだろっ、』
『行こうぜっ…!』
顔が怖くなってたみたい。