第2章 昼下がりの情事(銀八side)
「それにしても、坂田くんの髪の毛は本当に綺麗。日が当たってキラキラしてる」
「……愛里先生の方が綺麗ですよ」
「あら、ありがとう。お世辞でも嬉しいわ」
「お世辞じゃなくて…」
そこまで言って俺は赤くなった。バイトでホストの手伝いをやっている時には全然照れないのに、こうも明るい太陽の下だと何だか照れてしまう。
「…先生の授業をサボらないのも、先生をずっとみてられっからです」
軽口にしてしまった。
「すごいね、坂田くん。そんな風に言われたら、女性は絶対喜ぶわ。こんなに女性を喜ばせられるんなら、国語の成績は5をつけなきゃね」
そして、コンビニ袋から今度はベルギーワッフルを出し、半分にする。半分を俺に手渡し、
「はい、誉めてくれたお礼」
とニッコリ笑った。
その顔を見たら、お世辞ではないのだと反論する気も失せた。
「先生は食べないんすか」
「私はおやつに食べるからいいの」
「じゃ、遠慮無く」
ワッフルの甘さが口に広がる。
「ね、坂田くんの髪の毛触っていい?」
「いひっふよ」
ワッフルを食いながら返事をすると、彼女は俺の方に体を寄せて、俺の髪の毛を触った。
「わぁ、ふわふわしてる!気持ちいいね」
…触られるうちに、何かムラムラしてきてしまった。いや、健全男子だからね俺。いいにおいした女が自分の一部を触ってるなんて考えたらね、もともと脆い脆い俺の理性なんてあっというまにぶちきれるからね?
「…触らせてあげたお礼もらっていいっすか?」
「え?」
俺は動きを止めた彼女の手をつかみ、顔を近づけた。
「ワッフルより甘いモンいただきますけど」