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【銀魂/3Z】国語教師の作り方!

第11章 10月10日限定彼女(銀八side R-18)


10月10日、昼の12時。
俺は、デニムにパーカー、頭にはキャップというラフな格好で行列に並んでいた。
普段から年齢より上に見られることが多いし、この格好をしていれば高校生に見られることはないはずだ。
この店は、女性同士、あるいは女性と一緒の男性客でないと入れないから周りは女性ばかりだったが、順番取りに男性が並んでいることはままあるらしく、奇異の目で見られることはなかった。
頭にキャップを被っているのは、この髪の毛の色で知り合いにバレないように、という気遣いだ。
さすがに、生徒と教師がデートしてるってわかったらマズいよな。
いや俺は別にいいんだけど。

愛里先生は来るだろうか。
あの教師との約束を反故にして、俺との契約を果たしに来るだろうか。
文化祭の最後に、先生の口から「パフェを食べに行く」と挑戦的な目で言われてもなお、半信半疑だった。
それに。
昨夜は色々考えすぎて、正直なところ、自分でも、先生に来てほしいのか、来てほしくないのか、よくわからなくなってきた。
もちろん、先生と一緒に過ごしたい、先生をこの腕で抱きしめたい、という欲望はある。
だけど、先生にとって、この契約の遂行は、あの教師との秘密の関係を守るための犠牲的行為のはずだ。
だとすれば、たとえ俺が先生をこの腕で抱きしめたとしても、それは逆説的に、先生のあの教師への思いを深めるだけなんじゃないか。
理性と欲望の葛藤、そして結局欲望に突き動かされた俺は、こうやって行列に並んでいる……。

しかしながら、そんな俺の葛藤は、約束の12時を少し過ぎた頃、
「ごめんね、遅くなって」
と言いながら近づいてきた先生の顔を見た瞬間に吹き飛んだ。
「……」
何も言わず、頭から足先まで舐めるように眺める俺の視線に耐えかねてか、先生は、
「やっぱりこの格好、変かな」
と心配そうに言った。
「……いや」
俺はそれだけ言うのがやっとだった。
学校での先生は、いつもスーツかそれに類するコンサバでカッチリした服装をしている。
教壇に立って、常に論理的に、カッコよく授業を進めていく先生によく似合っている。
そんな学校での先生と、今目の前で、ひらひらしたミニのワンピースにコーデュロイのカジュアルなジャケットを身に着け、恥ずかしそうに俺を見ている女性が同一人物だなんて、誰が思うだろう。
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