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【銀魂/3Z】国語教師の作り方!

第10章 急転直下(銀八side)


俺の髪の毛がおもちゃになって右も左も留められた頃、やっと質問が終わった。
愛里先生は、
「ごめん、ずっと待ってたの?」
と言って、慌ててノートを半分くらい持ってくれ、そのまま二人で資料室に向かう。
「髪の毛、どうしたの?」
「これ、さっきの生徒のツレの奴に留められました」
「なんか可愛い」
「……」
可愛いって言われてもさ、全然嬉しくないよな。
「誉めてるのよ」
俺の心を見透かしたように、先生が言う。
「留めた奴もそう言ってたけど、女の人ってなんでもかんでも『可愛い』って言いますよね」
「そうね」
「本当に『可愛い』なんて思ってないでしょ?『可愛い』って言ってる自分が可愛いだけでしょ」
「鋭い洞察じゃない」
まあね、これでもホストの端くれだからね。
大体どんな感じで「可愛い」発言がなされるかは、わかってるつもりだよ。俺、バイト中も可愛いって時々言われるから。
「でも、坂田くんが可愛いのは本当だから」
うん、だからソレ、嬉しくないから。
「嬉しくない、って顔してる」
だって。
「カッコいい、って言われた方が嬉しい?」
そりゃ、当たり前じゃん。
「でも何だろ、『可愛い』って、ギャップなんじゃない?坂田くんがいつもカッコいいから、ギャップのある好ましさに彼女たちは『可愛い』って言ってるのよ」
「……」

今俺、すごいこと言われた気がするんですけど。
愛里先生が、坂田くんがいつもカッコいいから、って今言った。
いつもカッコいいって。
カッコいいって。
いや、俺だってバカじゃないから、先生の考えじゃなくて、さっきの女子生徒の考えを予想してそう言ってるだけなのはわかってるよ。
だけど、先生の口から「坂田くんがいつもカッコいい」って言葉が出てきたのは事実だから。
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