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【銀魂/3Z】国語教師の作り方!

第9章 風は秋色(銀八side)


じゃあ、何なんだろ。
「じゃあ、何?」
先生は再び首をかしげた。
いや、俺が自分にそれ聞きたいです、とは言えない。
じゃあ、って何。
じゃあ、俺とつきあって。
じゃあ、俺とエッチして。
じゃあ、俺と結婚して……あ、これは無理か年齢的に。
色んな「じゃあ」の先を思いつく。
しかも、どれも叶いそうもない、ガキ臭い願望だ。
口にしたら鼻で笑われそうで、結構マジだからこそ、立ち直れない気がする。

所在ない俺の手がポケットをごそごそやる。
右のポケットに、棒つきの飴が入っている感触がした。
俺の右手はとっさにそれをつかみ、デスク越しに、先生に向かって捧げながら、とんでもないことを口に出してしまった。
「じゃあ、先生、俺と……レッツパーリィーしてください」
「……」
先生はしばらく俺の顔を見つめ、そして差し出された飴を見つめた。
「……」
うわ、何この沈黙。
汗が噴き出る。
再び俺の顔に視線を戻した先生が、
「……ごめん、意味がわからない」
とつぶやく。
「……」
うん。大丈夫。発言した俺も意味がわかってないから。
「ホストって、そんな風な言い方するの?」
「ええ、まあ、時には」
口の中でごにょごにょ言っている俺がおかしかったのか、先生は笑い出した。
「そうね、楽しいノリにしないといけない仕事だものね」
よくわからないけど、納得されたらしい。
「飴ちゃん、くれるの?」
「あ、ハイ」
俺は包み紙をむいて、先生に差し出した。
先生はちょっと顔を赤くして、ぱく、と口にくわえた。
あーー、コレコレ。
この前のいちご牛乳といい、少しずつ先生が俺に直接触れてくれているみたいでゾクゾクする。
「ん、ありがほ」
あめを口にくわえたまま先生がニッコリ笑う。
唇から棒が飛び出ていて、何か可愛い。
うん。
まあいいか。
先生が笑ってくれれば、俺は何でもいいや。
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