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【銀魂/3Z】国語教師の作り方!

第9章 風は秋色(銀八side)


呆けたようになっていた俺を尻目に、辰馬は話を続けていた。
「儲け話じゃ。文化祭で儲けようと思っての」
「は?お前何言ってんの?」
「まあ聞け。文化祭の企画を、株式会社にしたらどうなる?」
「は?」
「出資者を募り、株券を発行するんじゃ。売り上げが多ければ利益が出て、出資者に多く還元される。売り上げが少なければ、持ち出しちゅうことになるが、人件費も場所代も税金も取られない株式会社じゃ。赤字になるとは考えにくいじゃろう」
「そりゃそうだが、お前、そんなの学校でできるのかよ」
「おお。普通ならできん。じゃが、この取り組み自体を、文化祭の企画展示の一つにするちゅうたら、文化祭実行委員からも教師陣からも高評価だったぜよ!」
「……」
「文化祭実行委員にかけ合ってみたんじゃが、一応昨年までの文化祭の売り上げの記録は残っているらしいの。そのデータを見れば、何をどのくらい仕入れて、どのくらいの値段設定にすれば、どのくらい利益が出るか大体の数字が出る。そういった計算自体も展示しておくんじゃ。何なら、『利益分岐点まであと何個!』と逐一発表しながら売ると、企画性もハッキリするじゃろ」
「ふうん。で、俺に出資しろって?断る」
「いや、出資して、調理人として働いてほしいんじゃ。人手不足じゃき」
「ふざけんなァァァ!!条件悪くなってるだろォォォォ!そんならバイト代出せ。東京都の最低賃金以上の時給を出しやがれ」
「それは無理じゃ」
「いいじゃねえかよ、人件費も出した方が、株式会社っぽくなるだろ」
「現物支給でどうじゃ?」
「は?」
「わしらが売ろうとしているのは、クレープじゃ。売れ残った分は、全部お前の腹に収めればいいじゃろ」
「え」
クレープ食べ放題か……、それはちょっと心惹かれるな。
俺の表情が和らいだのを見て取ったか、辰馬がニヤリ、と笑った。
「その顔は、納得したちゅうことじゃな」
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