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【銀魂/3Z】国語教師の作り方!

第7章 夏の終わりのエトセトラ(銀八side)


暇だ。
夏休みとはいえ、こんなに図書室に人がいなくて、うちの学校の進学実績は大丈夫なんだろうか。
余計な心配をするほど、誰も来ない。

話を持って来たのは、これまた辰馬だった。
夏休みの図書室のカウンター当番に当たっている図書委員が、法事で急遽来られなくなったのだという。
そこで、辰馬に頼まれた俺が「座っているだけでいいから」という甘い言葉に乗せられて、こうやってカウンター当番をやっているのだった。
どっちみち図書室で勉強しているのだから、図書室内の机で勉強道具開くのと、カウンターの中で勉強道具開くのに差なんて大してない。
訪れる生徒は少ないのだし、片手間にカウンター当番の簡単な作業をすることも苦にならない。
だが、辰馬のヤローがピンハネしているんじゃないかと思うと、昼飯(withいちご牛乳)をおごってもらうくらいじゃ割に合わないよな。
どうも辰馬は、俺を何でも屋か何かと思っているフシがある。
いや確かに、俺自身も頼まれ事されると、つい「万事屋」って名乗っちゃうんだよな。
……そうか、自業自得なのか、コレ。

8月も終盤、2学期の始まる直前だというだけあって、それでも午前中には、補習や夏期講習を待ちがてら生徒が来ていたが、午後の講習が始まった時間から、ぱたりと途絶えた。
おかげで、夏休みの課題も進む進む。
「坂田くん」
急にカウンターの向こうから声をかけられた。
ストレートの黒髪とまつげの長い瞳が印象的な色白の女だ。
まあ、美人のうちに入るだろうな。
「んあ?本の貸し出し?」
「違うの……あの……」
顔を赤くしてうつむいてしまう。
えっと。何コレ。
「坂田くん……て、付き合ってる人とか、いるの?」
え?あぁ、そういうこと?
珍しいよな、俺に直接そういうこと言ってくる女。
「いや、今付き合ってる人はいないけど」
「坂田くんのことが、好き、なの。私じゃ、だめ……かな」
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