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【銀魂/3Z】国語教師の作り方!

第6章 真夏の夜の夢(銀八side)


「久しぶりに竹刀持ったから、マメができましたよ」
両手を開いて見せる。
「すごい!……こうやって見ると、坂田くんの手って、武道をやっている人の手ね」
愛里先生は女性らしい細い指で俺の掌に触れた。
それを狙っていた俺は、彼女の手を指輪ごと握りしめた。
「ちょっと!」
小さな手は、俺の大きな掌にすっぽりと収まってしまう。
「……愛里先生」
俺はそのまま先生の手を自分の唇に持って行く。
男からもらった指輪に、別の男が唇をつけるのを見る気分って、どうなんだろな。
唇に金属の感触がした。
「……この指輪、どうしたんですかっ……」
囁く声が震えた。ああ、鬼もくそもねえよ。カッコ悪ィ。
「坂田くん!屋上で2人だけの時とは違うのよ。誰かに見られたら……」
「ここは影になってるから誰からも見えませんよ」
「でも!」
「ねえ、先生、答えてください。ティファニーの指輪でしょ」
「よく知ってるのね」
「これでもホストの端くれなんで。先生の綺麗な指に似合ってますよ」
俺はそう言いながら、唇でその指を愛撫した。
「……坂田くん、もうやめて」
「彼氏にでももらったの?でもこれ新品じゃないよね?」
「なんでそんなことまでわかるの?」
うん、それは……なんでだろうね。
ずっと先生の指を見ていたからかな。
「無くしたと思ったのが、ただ、出てきただけよ」
「でも男からもらったものでしょ」
「……昔のことよ」
「ふうん」
俺は先生の瞳をのぞきこんだ。
ぞわり、と夜叉と呼ばれた自分の血が騒ぐ。
あー、このままあの再契約なんか破棄して、首筋に食いついて押し倒せたらな。
だけど……、もっともっと美味しいところでいただくのが、本当の鬼。
ねえ先生、鬼に魅入られたら、もう逃げられないよ。
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