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【銀魂/3Z】国語教師の作り方!

第5章 銀髪の少年(girl's side)


入学式の時から、その銀色の髪は目立っていた。
他の教師は眉をひそめていたけれど、私は綺麗だ、と思った。
まだ細さの残る身体にだらりと着た制服、眠そうな半開きの瞳。
表情がひどく大人びていたのが印象的だった。

問題を起こすというわけではないけれど、目立つその姿と育った環境がやや特殊だということで、時々教師間で話題にはなっていた。
美しい銀髪は地毛なのだという。
両親はおらず、現在は施設で育っているのだという。
生意気な発言で教師を怒らせることもあるという。
でも人当たりは悪くなく、男女問わず彼の周りには人がいるようだった。

入学当初から、夜のバイトをしているという噂があった。
夜の新宿であの銀髪を見たとか、何とか。
決定的な証拠は何もなく、結局黙認されている状態だ。
だが、時々彼が女子生徒と話している姿を目にすれば、その噂は本当なのだろう、と思えた。
大人びたところのある彼に、女子生徒があこがれをもつのは当然のことだ。
しかし明らかにそれは、彼が女子生徒を「侍らせてる」ようにしか見えない光景だった。
他の教師は誰もそんなことを言わなかったが、私はそう思った。
女のカンだったのかもしれない。

偶然授業を担当することが決まった時、私はちょっと嬉しかった。
あの銀髪の美しい、大人びた少年と話をしたら、楽しいのではないだろうか、と思っていたからだ。
初めて授業に行ったとき、思っていたよりも大人びた風貌に驚いた。
もう大学生といっても通用するような背の高さ、肩幅、胸の厚さ。
少年の成長は早い。
名前を呼ぶと「ふぁーい」というような気の抜けた返事が返ってきたが、目は結構キラキラしていて、新しい教師の力量を計っているような感じが見て取れた。
そうこなくちゃ、ね。
自分でも自信のある小説の授業。
クラスのみんなが食いついてくれて嬉しかったけれど、それ以上に彼が国語係になって、資料室にまで来てくれたのには嬉しい驚きがあった。
成績はさほど良くないらしいが、知的好奇心をくすぐられるのは好きなのかもしれない。
私は嬉々として彼に本を貸した。
思った通り、本を媒介に、大人の内面をもつ彼と話をするのはとても楽しかったのだ。
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