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【銀魂/3Z】国語教師の作り方!

第18章 踏んだり蹴ったり殴られたり(銀八 side)


二人だけになったのを見計らって、俺は小声で聞いた。
「あの、このあたりで、産婦人科っていったらどこがいいの」
華さんは目を見開いて俺の顔をまじまじと見つめる。
「アンタ……誰か妊娠させたの?」
「違う違う、俺が妊娠させたんじゃないんだけど」
必死で否定したが、華さんは疑わしい目で俺を見る。
信用ねえのな、俺。
「女を妊娠させといて大学とかほざいてんの?」
「だから違うって!俺、避妊せずに女抱いたことないってば!華さんだって知ってるだろ!」
思わず大声で叫びそうになってしまい、慌てて声のトーンを落とす。
「……子供育てられもしないくせに、妊娠させるとか、マジねえよ」
華さんはそんな俺を見て、寂しそうに笑った。
「そうね。あたしたちがそれ、一番身をもって経験してるもんね」
俺も。
華さんも。
ここにいる子供たちの多くは親に捨てられた子だ。
松陽先生に拾われて俺の命と魂は救われたけど。
育児放棄で幼い子供が命を落としたというニュースを見聞きするたび、何か一つ違えば、そうなっていたのは自分だったかもしれないといつも思う。

でも、いま彼女の中にあるかもしれない新しい命は。
生まれ出てくる前に命を絶つのが罪なのか。
生まれ出て苦労をさせるのが罪なのか。
よくわからねえよ。

「やっぱり、このへんで信頼できる産婦人科っていったら、高杉病院じゃない?友達があそこで手術してるんだよね」
「高杉病院って…」
「ああ、晋ちゃんの実家よね。晋ちゃんは勘当されちゃってるみたいだけどさ」
うーんうーん。
晋助の実家かあ……何かそれは……いや、晋助には関係ないんだけど……何かな……何だろこの微妙な気持ち。
「そ、そっか。じゃあ、俺も勧めとくわ」
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