第18章 踏んだり蹴ったり殴られたり(銀八 side)
施設に帰ると、珍しく一緒に育った華さんが来ていた。
「華さん、どうしたの、珍しいじゃん」
「先生の命日に来られなかったから。月命日でしょ、今日」
「……そうか」
「もう三年経つんだね。早いなあ」
リビングルームの端にある仏壇に手を合わせながら、華さんはそうつぶやく。
「銀ちゃん、最近全然遊びに来てくれないじゃん。ホストはやめちゃったの?」
「やめてないけど、大学に行くのもアリかなって最近おもってんだよね。だからバイトにはあんまり行ってないんだ」
「へ?銀ちゃんが大学?」
「……悪ィかよ」
「銀ちゃんが大学入れるんだったら、あたしも今からでも入れるかもしれないよね。現役女子大生AV女優に、今からなろうかな」
「……」
完全に遊びだと思われている。
結構本気なんだっつうの!