• テキストサイズ

【銀魂/3Z】国語教師の作り方!

第17章 人の不幸は蜜の味(銀八side)


「妊娠検査薬で調べてみたのかよ」
「……まだ。怖くてできない」
「怖ェのはわかるけどさ、まずはそれをやってみてからだろ」
「じゃあ、一緒に見届けてくれる!?」
ちょ、ちょっと、それは……どうなの?
「妊娠検査薬も一緒に買いに行ってくれる?」
そ、それは、店員とかにすっげえ誤解されそうなんですけど。
「ねえ、お願い!」
俺の目は虚空をさまよった。

予鈴が鳴った。
そろそろ屋上で話をするのも寒くなってきたな、そう思いながら、教室に戻ることを促す。
俺たちが階段を降りようとした時、その陰に月詠がいるのに気づいた。
こいつ、俺たちが話している間、ずっとここにいたのだろうか。
「お前、待ってたのか」
「ユカリがお前に泣かされないか、見張ってた」
「おいおい、そんなことしねえよ」
「月詠、違うのよ。銀ちゃんは悪くないの。銀ちゃんに相談してるだけなの」
月詠の表情は複雑なものになった。
「なあ、シノハラさーん?」
俺は月詠の顔を眺めながら言った。
「こいつにも話してやれよ」
「え……」
「アンタのこと本当に心配してんだよ。俺なんかよりずっと……アンタのことを大事に考えているのはこいつなんじゃねえの?」
月詠は顔を赤くして反論する。
「お前に私の何がわかる!」
「わかんねえよ。わかんねえけどさ。悩みを伝えたら、相手も悩んでしまうと思っている奴と、悩みを伝えてくれないことで悩んでいる奴をずっと見てると、イライラすんの!」
「銀ちゃん!」
「銀八!」
「俺はダシにされたんで結構。こっからは2人でドーゾ。大事な買い物も、月詠と一緒に行ったらいいだろ」
俺はそのまま先に階段を降りていった。

まあ、ちょっと月詠に押しつけた格好になるけどさ、俺、悪くないよな?
/ 218ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp