第15章 秘めごと再び(銀八side)Rー18
「ねえ、先生、真面目な話。クリスマスイブはねえ、俺の育った施設のクリスマス会なんです。小さい子供も多いからさ、クリスマス会で絵本読んでくれませんか?」
「え?」
「こんな美人のお姉さんが来てくれればさ、それだけでクリスマスプレゼントだから」
「……」
「それに俺、バイトで金貯めて、あいつらに絵本ぐらいプレゼントしたいから、先生に見つくろってほしいなと思って。それがクリスマス一緒に過ごす、って約束の内容」
「……そうだったの」
「え?俺とクリスマスデートしたかった?」
「そうじゃなくて」
「じゃあ、俺とくんずほぐれつ『恋人はサンタクロース』ごっこしたかった?」
「何それ」
「わかんないけど。『銀さん太』が、下の口にプレゼントの棒を入れてあげるっていう」
「……何ソレ、そういうエロ動画の見過ぎじゃない?」
「そうかな。でも、それ見過ぎても、今回は古典で90点以上取ったもんね。ほめてほめて」
そう言うと、先生はふっと笑って、俺の頭をなでた。
「よくできました」
「嬉しい」
「よしよし」
「俺、先生に誉められるのが一番嬉しい。先生が誉めてくれるなら、世界中の人間に罵倒されてもいいよ」
「何言ってるの」
ああ、またホストの言うことだからって顔してる。
でも本当にそうなのに。