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【銀魂/3Z】国語教師の作り方!

第13章 特進クラス争奪戦(銀八side)Rー18


そして迎えた中間考査。
それまで赤点ばかり取っていた俺の成績は、カンニングが疑われたほど伸びた。
(だが、当日朝にできあがって印刷された試験問題もあったらしく、その疑いは晴れた。そんな裏情報をこっそり教えてくれたのは全蔵だった)
現代文も80点、暗記主体の古典は90点を越えて、なんとクラスで一番だった。

90点。
90点か。
俺は答案を眺めながら、
「90点以上取れたらつきあってくれますか」
と、一学期に愛里先生に言ったことを思い出した。
先生を好きだという気持ちだけが暴走していたあの頃が、今となっては何だか懐かしい。
冗談ぽく言ったから、先生は冗談だと思っていただろうけど、俺は結構本気だった。
今から思えば、あの時90点以上取ったところで、先生には(不倫関係にあるとはいえ)つきあっている男がいるのだから、俺の入る余地なんてなかっただろう。
でもあの頃は、まだ夢を見ていられた。
身体だけこの腕で抱きしめながら(自分自身も気持ちよかったし、乱れに乱れた先生のことを思い出すだけで、何回でも抜ける)、心をつかめないでいる今に比べれば、なんて呑気な気持ちでいたのだろうと思う。
「逢ひ見ての後の心にくらぶれば昔は物を思はざりけり」という和歌を詠んだ1000年前の男と、酒を酌み交わして語りたい気分だぜ。

一方で未練がましい俺は、先生が俺の彼女になってくれたら、と、今でもどこかで思っている。
あんな男なんか捨てちゃって、先生のことを一番に思ってる(はずの)俺のことを好きになってくれないかな。
教師と生徒でつきあうのがまずいんだったら、俺学校やめてもいいくらいなんだけどな。
それができない俺は、先生との関係が切れないように、時に疑心暗鬼になりながら、先生の笑顔にだまされたつもりで、せこせこ涙ぐましい努力を重ねているわけだ。
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