第13章 特進クラス争奪戦(銀八side)Rー18
そりゃ、昨日先生と一緒にいた時間はすげえ楽しかった。
先生が俺の彼女になったみたいな夢をずっと見ていられたから。
先生はすごく可愛くて、頭良くて、一緒にいると俺まで高尚な人間になれたような気になる。
パフェ食べてる時も、抱きしめている時も、勉強教えてもらってる時も、幸せだった。
あまりにもその時間が幸せだったから、現実に引き戻された時の落差が激しすぎる。
現実には、先生は俺の彼女ではなくて、不倫関係にある好きな人がいて。
俺のことなんか、たぶん、ちょっと可愛い犬みたいな生徒としか思ってなくて。
それなのにこんな秘密を共有してしまっている。
先生はもしかしたら、俺の存在ごと消えてしまえばいいと思っているかもしれない。
それはとてもつらい想像だけど、俺のしたことを考えれば、先生にそう思われるのも仕方ないことのような気がする。
でも俺は、やっぱり先生を見ていたい。
せめて教師と生徒というつながりだけでも、もっていたい。
来年先生に習えなくなったら、今みたいに授業以外の時間に先生のところに行くこともできなくなるかもしれない。
そうなったら、俺の高校生活は、いや、俺の人生は色あせてしまうだろう。