第13章 特進クラス争奪戦(銀八side)Rー18
「おい、なんなんだ、あれ」
全蔵が不機嫌そうに言う。
いつも穏やかな全蔵も、さすがにあの教師の態度には腹が立ったらしい。
「知らねえよ」
「特進クラスがどうとかいっちょったの」
俺は、文化祭の準備中にあの男と愛里先生が話していた、特進クラスの話を思い出した。
先生は辰馬を特進クラスに入れたくて、あの教師は入れたくないと思っている。
だから文化祭で目立った辰馬やその周りの生徒に対して、牽制というか、軽く嫌がらせをしているのだろう。
「特進クラスなんちゅうモン、全然興味なかったけど、あんだけのこと言われたら、入ってやりたくなるの!」
「でも特進クラスだったら、あいつに担任される可能性があるってことだろ。確率は二分の一か?リスクが大きすぎるな」
おいおい、そもそも特進クラスに入れるのかよ、こいつら。
一番成績の悪い俺が、勉強に関してこいつらにツッコむ筋合いはないけどさ。
特進クラスかぁ。
一学期の終わりに、愛里先生に言われたな。
特進クラスに入らないと、来年先生には習えないって。
だから特進クラスに入ったら、ヤらせてくれるという口約束をした。
俺は結構本気だったけど、先生は冗談と思っていただろう。
その願いは叶ってしまった。
自分の腕で愛里先生の身体を抱きしめ、先生の身体をこじあけて、何度でもイかせてあげる。
何度も夢見て(ついでに抜いて)いたことが、叶って嬉しいはずなのに、何であんまり嬉しくないんだろ。