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【銀魂/3Z】国語教師の作り方!

第12章 銀の雫(girl's side)Rー18


愛する人を失う悲しみを、二度と繰り返したくなかった。
だから、心を誰かに捧げることはもう何年もしていない。
誰かに求められれば、身体だけ提供する。
淡々と、その場だけ楽しければそれでいい。
そんな私のスタンスを好んで近づいてくる男は決して少なくなかったから、全く不自由しなかった。

同じ職場で男と関係を持つと面倒なことになる。
それがわかっていたから用心していたけれど、
たまたま以前関係を持った男が職場に異動してきてしまった。
男は既に結婚していたが、刺激を欲したのだろう、時折身体を重ねるようになった。
仕事において事なかれ主義なところは、同僚としては決して評価すべきものではないけれど、
誰にも知られずに、身体だけをつなげる関係を維持していくには、なかなか都合がよかった。

ただ、時折その男を見つめる女子生徒たちの目が気になった。
見てくれも悪くないから、男が女子生徒から人気なのはわかる。
しかし、単なるファンである以上の視線を向けていることぐらい、見ていればわかる。
そしてそういう視線を、あの男は自分に都合のいいように受け止めるのだ。
「本当に好きなのはお前だけだよ」
そんなふうに耳元で囁かれて、その言葉の嘘を見抜ける高校生が何人いるだろう。

私の視界に鮮やかな銀色が入りこんできたのは同じ頃だ。
ホストをしているのだという、高校生とは思えない色気、そして普段は死んだ魚のようでありながら、時折好奇心を満たしてほしいとばかりに煌めく瞳。
そして、どこまで自覚があるのかわからない、可愛らしさ。
彼が私になついてくれればくれるほど、身体だけをつなげていた男のことはどうでもよくなっていった。
いやそれよりも、その銀色は私の心まで染み込み、無視できない存在になっていった。
同じ職場で男と関係を持つと面倒なことになる、それどころか、生徒に手を出すなんて自分の首が飛ぶ、そう頭ではわかっていても、唇が欲しくなるくらいに。

だから私は、身体をつなげていた男から「下りた」。
もともと身体だけをつなげていたのだ。
こちらから距離をとれば相手も離れていく。
そうふんでいたのだが、逃した魚は大きいとばかりに、距離をつめてくるとは思わなかった。
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