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【黒子のバスケ】君を見つけた

第3章 夏が始まる


____ピンポーン



インターホンの音が鳴り、私は料理を作る手を休め、いそいそと玄関へと向かう。

ガチャ、という音とともにドアを開くと、赤い髪の彼がいた。

ふわり、と柔らかく微笑む彼を家の中へと迎えながら、私も微笑みを返した。


「征くんっ!おかえり。」


自然と繋がる手。
手から伝わる赤司の体温は、私の心を暖かくしてくれる。


赤司「ただいま。…… エレナ。エプロン姿で迎えられると、新婚気分でいいな。」


誘うような赤司の目線に、エレナの心臓は鼓動を速まっていく。
顔を色付かせた私の様子に気を良くした赤司は、繋いだ手を口許に運ぶと、ちゅ、とキスをした。



「…ふふっ…じゃあ、私は可愛いお嫁さん?」



悪戯に笑って見せると赤司は少し考える仕草をとった。



赤司「………いや、……可愛い "俺の" お嫁さんだ。…そこんとこ間違えるなよ?」



「~~~~っ////!?」



やはり、一生かかっても赤司には勝てない、そう思った瞬間だった。






リビングでは、勉強を続ける青峰と緑間、バスケの話で盛り上がる虹村と高城__そして、高城に引っ付いたまま一向に離れようとしない桃井、それぞれの時間を過ごしていた。


赤司がリビングに入ると各々"お疲れ"と挨拶を済ませていくが、緑間は少しイライラした様子で赤司を呼び寄せた。



緑間「赤司っ!遅いぞ!………もう、このバカには付き合いきれんのだよ…!」


赤司「フッすまなかったよ、緑間。青峰に教えるのはこちらがわも根気がいるからな……人手は多い方がいいかと思ってね。……代わろう。少し茶でも飲んで休憩しておけ。」


緑間はふぅ、と短く息を吐くと、眼鏡を押し上げながら立ち上がった。
そのまま緑間は既に空になったアイスティーのおかわりをもらうべくキッチンへと向かっていく。


赤司は先程まで緑間の座っていた席に腰を下ろすと、青峰に進捗状況を確認し、勉強に取りかかった。
さすがの青峰も赤司相手だとゴネることもなく、真面目に勉強に取り組んだ。


その甲斐もあってか、青峰の試験勉強は漸く終わりが見え始め、あと少しで夕飯にありつける、という期待が青峰をさらに集中させていった。



キッチンから漂う胃袋を刺激する香り。




青峰(あぁ、早く、アイツの作ったメシが食いたい……!)
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