第2章 出会い
【赤司征十郎】
「……パパの仕事の関係で、アメリカに行くことになったの。……どうしよう。征くん…淋しいよ…」
眼に涙をいっぱいに浮かべ話す愛しい彼女を、俺はそっと抱き寄せる。
赤司「……どれぐらいの期間、行くか決まってるのか?」
「……わかんない………でも、私……いつか必ず、帰ってくるから……」
涙を流し震える彼女の背中を擦っていると、少しずつエレナは落ち着きはじめた。
赤司「……俺は待っているよ。そして……また俺と同じ学校に通うんだ。エレナ……離れていても、俺達は一緒だ。」
俺を見つめるエレナの深い緑の目は涙で潤み、目元は赤くなっていた。
彼女は微笑むと、小さく頷いた。
赤司「……… エレナ」
エレナの柔らかい唇に自分の唇を重ねる。
そこから伝わる熱はジリジリと俺の胸を焦がし、熱くさせていく。
赤司「………………好きだ。」
思わず零れたその言葉にエレナは顔を赤くし俯いた。
「ありがとう……私も征十郎が大好きっ」
赤司(異性として……という意味だったんだが……)
伝わったようで伝わっていなかった俺の思い。
彼女の鈍感さには些か疑問を抱くが、大した問題ではない。
だって、エレナはずっと前から俺の女だ___