第2章 出会い
黄瀬「わ、ちょっ!宮地さんっマジ顔怖いっすよ!!」
後ずさる喜瀬を追い詰める黒い笑顔の宮地。
宮地「は?俺、スゲー笑顔だと思うんだけど?怖いってナニ?」
「クスクスっキヨくん、怖いって~」
それを見ながら呑気に笑っていた私だったが、気がつくと矛先は自分に戻ってきてしまっていたらしく、黒い笑顔を拵えた宮地が目の前に来ていた。
「……へ?キヨくん…!?」
すっとんきょうな声を出す私。
しかし、目の前の宮地は黒い笑顔のまま。
宮地「………あとで、覚えておけよー?エレナちゃん」
(キヨくん、イケメンだから迫力半端じゃないからっ!!)
ガシッと肩を抱かれ、逃げれなくなった私はそのままの状態で高嶺と中野マネに別れを告げ、宮地と黄瀬と共に夕食を食べるべく、マジバへ連れていかれた。
「もーっ!キヨくんっそろそろ離してください~!」
宮地「うっせ。お前は黙って俺に抱かれてろ。」
「キヨくん俺様すぎるー!助けて、涼太ぁ~」
怖い笑顔のままの宮地から逃げようと黄瀬に手を伸ばすが、その手は宮地によって絡み取られてしまう。
黄瀬「ちょ、宮地さぁーん!!エレナ可哀想ッスよー!?」
宮地「あ?オメーは黙ってろ☆」
再び真っ黒な笑顔で喜瀬を凄む宮地。
私はムッとした表情で宮地を見上げる。
「もうっ!そろそろプンプンするの止めないと、キヨくんのこと嫌いになっちゃうよ?」
私の言葉にピクリと反応する宮地。
同時に肩を掴んでいた手が緩み、腰へと降りてきた。
宮地は無表情のまま、私を見つめるとスッと反対の手を私の顎に添え、上を向かせた。
「キヨく____」
___チュ
「____っ///!?」
今、唇に触れた柔らかな熱は何だったのか?
宮地「嫌いになんかさせねー………」
思考が止まり、固まっていると再び宮地の顔が近づいてくる。
(__え?私、キヨくんとキスしたのーー?)
唇が重なる___
そう思った時、私の唇に触れたのは先程の柔らかな熱ではなく、熱い掌。
よく見るとそれは、私と宮地の顔の間に存在していた。
すぐに不快そうな顔つきに戻った宮地は、手の主を睨み付けた。