第2章 出会い
「お疲れ様でしたー!」
無事に撮影も終わり、宮地らとスタジオを後にした。
黄瀬も私たちと一緒に帰ることになり、そのまま5人で歩いていた。
宮地「なぁ、エレナ。この後時間あるか?」
「…うん。大丈夫だけど、どうしたの?」
宮地の言葉に私は首を傾げるが、それを見ていた宮地は口角をあげ笑顔を見せた。
宮地「んじゃ、飯行くぞ。腹減った。」
「行こう行こう♪私もお腹すいて____」
黄瀬「あのっ!!!」
突然の黄瀬の大声に私と宮地は驚き、目を見開いた。
私たちの様子を見た黄瀬は慌てて頭を下げた。
黄瀬「あっ!すんません…っ、や、その……俺もそれ、着いてっちゃダメッスか??」
宮地「あ?てめー____」
「もちろん!涼太も行こうっ!…ね?キヨくん、いいよね?」
私は不機嫌丸出しな宮地の了承を得るために、彼の腕に抱きつき様子を伺うが、すぐに宮地に頭をグシャグシャとかき乱されてしまった。
宮地「~~~ったく///!わぁったよ!チッ」(くっそ!こんな顔されて断れるわけねーだろ!こいつ天然でやってんのかよ!?~~~ムカツク///しかも、胸!!当たってっし///!!)
耳まで赤い宮地から逃げるように離れた私は乱れた髪を手櫛で直していた。
すると、隣にいた黄瀬の手が伸びてきて、私の髪をとかした。
黄瀬「あははっ派手にやられたッスね~」
「本当、キヨくんひどいよね~女の子の髪をグシャグシャにするなんてっ!」
頬を膨らませ抗議する私を宥めるように、黄瀬は私の頭を優しく撫でていた。
その目はとても愛しいものを見る目で、目の前でそれを見ていた宮地はひどく不快そうな顔をした。
黄瀬「まあまあ、エレナ。そんな顔してると可愛い顔が台無しっすよ?………それにしても綺麗な髪ッスね~すっげぇサラサラ。」
さらりと誉めながらにこにこと微笑む黄瀬。
私は突然の誉め言葉に顔に熱が集まるのを感じた。
しばし黄瀬と見つめあってると、横から手が伸びてきて、ぐい、と引っ張られた。
トン、と当たった先は宮地の胸で、気がつくと私は宮地の腕の中に収まっていた。
「わっ……!キヨくんっ///?!」
宮地「……なぁに、キラキラした笑顔してんだー?黄瀬ぇ?」
宮地の威圧的な黒い笑顔に黄瀬は冷や汗が溢れだした。