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【黒子のバスケ】君を見つけた

第2章 出会い


【黄瀬 涼太】



あれ、息ってどうやってするんだっけ___?



口を開けて空気を吸い込み肺へと送る、

程よくして余分な空気を吐き出す。



そんな普段は無意識にやられていることすら意識しないと出来ないくらい、俺の全神経が目の前の彼女へと向いていた。

黄瀬「…………あの子……誰なんスか?」



無意識に俺の口から零れた音



中野「………彼女は"エレナ"。すっげぇ、綺麗だろ?」




綺麗___



彼女の美しく整った容姿も

織り成す雰囲気も

仕草も視線も




すべてにそれは当てはまっていた。




監督「はい!画像チェックするから、一旦休憩でー!」



監督の声に現場の張り積めていた空気が緩む。

それと同時に並んで近づいてくる宮地と彼女。



ドクンドクン、と胸が騒ぎ出す。



彼女を見つめていたら重なってしまった視線。
動揺したあまり、俺は視線を逸らしてしまう。



黄瀬(な、何なんすか……これ……///顔すら、見れそうにないっすわ……///)



目の前で宮地と中野が会話をしていたが、そんなものは俺の耳には届かない。

すると、中野が彼女に俺のことを紹介し始めたことに気づいた俺は動揺が伝わらないよう笑顔を作った。



黄瀬「あ、どもっス。黄瀬涼太って言います。よろしくお願いします。」



俺の笑顔について宮地からツッコミが入り、慌てる俺を彼女は口許に手を添えクスクスと笑っていた。



黄瀬(うわ………///すげぇ……綺麗///)



一瞬、俺は品よく優雅に笑う彼女に見惚れてしまっていた。



「ふふっ黄瀬くん、キヨくんの"轢くぞ"はネタみたいなもんだから、気にしないで?」



彼女の声に全身が震えた。




あぁ、



これが俗に言う




一目惚れ



ってやつなのか。




この俺が、そんなことになろうとは正直あり得ないと思ってたけど………




目の前で仲良さげに話す宮地と彼女の姿を眺めながら、心にチリチリと鈍い痛みを感じた。



黄瀬(宮地さんずるいッスよ………俺のことも……見てほしいッス……… エレナ…………)



一目惚れどころか、しっかり嫉妬までしてしまっている自分に気づく。




これは中々、重症っすわ。
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