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【黒子のバスケ】君を見つけた

第2章 出会い


撮影は花が沢山飾られたセットの中で、レンガの壁を背にした私を宮地が壁ドン状態で、キスしそうなギリギリのところまで顔を近づけるという内容で、私と宮地は立ち位置などの説明を監督から受けていた。



監督「__で、清志くんは左腕で壁に凭れる感じで、エレナちゃんは軽く顔を上げて見つめあう感じでよろしくね。あ、雰囲気に合わせて清志くんが思うようにポーズ変えてっていいから。」


宮地「…思うように、ですね。分かりました。」


返事をする宮地をちらりと見ると既に彼の顔つきはモデルの顔付きへと変わっていた。


「わかりました。よろしくお願いします。」


私も気持ちを切り替え、頭の中を仕事モードにしていく。


二人で決められた立ち位置に着くと、すぐ目の前に宮地の顔があった。


(キヨくんの瞳が……熱を帯びてるように見える…)


顔のすぐ左側には宮地の腕が壁を押さえていて、視界は彼で埋め尽くされる。

背の高い宮地に合わせ、少し顔を持ち上げると宮地の指によって顎をさらに上を向かされた。


スッ、と近づいてくる宮地の顔。


お互いの唇が触れる数ミリのところでシャッター音が鳴る。



カシャ、カシャ、カシャ___



顎を抑えていた宮地の指が外れ、その手は私の右手に絡み、肩の横まで持ち上げられた。

唇は重なりそうな距離のまま止まり、お互いの吐息のみが触れていく。



私はチラリとカメラへ視線を贈る。

少し、その視線に妖艶さを乗せて_



絶えず鳴り響くシャッター音。



監督(…想像以上だ…。正しく、この商材のテーマそのものだ…!清志くんの雰囲気作りもいい……!そして、何よりエレナちゃんの表情……!!!)



二人を見守るスタッフ達は、二人の醸し出す空気感に思わず息を飲んでいた。



それほどまでに二人の作り出しているポーズは美しかった。





__そして、その二人を見つめる一人の黄色い髪をした新人モデル。



彼はマネージャーに誘われ、事務所の先輩モデルの仕事を見学しに来ただけだったのだが、息をすることすら忘れるほど、真剣に目の前の男女を見つめていた。

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