第2章 出会い
次の日の朝、早く目覚めた私はアメリカの母と辰也に近況報告の電話をした。
相変わらずな母は私の話を楽し気に聞いては、誰が好きなの?などの恋バナをしたがっていた。
一方の辰也は相変わらず心配だと何度も言っては、私を苦笑いさせた。辰也の話では大我が私からメールがこない、と怒っていたらしい……近々メールしないと。
変わらぬ二人の様子に少し懐かしさを覚えるが、寂しい、というよりは相変わらずな様子に触れてほっとした私がいた。
窓を開け外の空気を肌に感じると、私は大きく息を吸い込んだ。
「よしっ今日も頑張ろうっ!」
気合いを入れた私は朝食を食べ、仕事に行く準備を始めた。
何気なく付けていたTVでは、朝の情報番組の中で占いコーナーが映されていた。
特にそこまで意識してはなかったが、ふいに聞こえた自分の星座に耳が反応してしまう。
『…おは朝っ今日の第1位は~~~牡牛座!今日は何事もうまく事が運びそう♪運命の人との出会いがあるかも?!…ラッキーカラーは"黄色"…………』
(1位かぁ…今日も楽しく過ごせそう♪)
普段からあまり占いの類いを信仰しない私は、1位だったら良い日になるかな、程度にしか捉えていなかった。
……まさか、今日の出会いが先の未来に繋がっているとは、ましてや、ラッキーカラーまでも重要な意味が含まれていたとは思いもよらなかったわけで。