第2章 出会い
赤司はもう一度私に笑いかけると、隣の灰崎へと視線を移した。
赤司「……灰崎…… エレナはわざわざ俺たちの練習を手伝いに来てくれてるんだ。そのエレナに対して卑猥な目を向けるんじゃない。……次はないぞ。」
赤司は冷たい目で灰崎を一瞥すると、再びこちらに視線を戻し、桃井の腕から私を引き抜き、抱き寄せた。
灰崎はチッと舌打ちをし、ブツブツと不満を言いながら去っていく。
赤司「エレナ……もう片付けはいいから着替えておいで?……桃井も構わないね?」
桃井「……あっうん!もちろんだよ!早く着替えちゃったほうがいいよー!」
二人の好意に私は甘えさせてもらうことにし、感謝の気持ちを伝え、更衣室へと向かった。
私が体育館を出ていくのを見送る赤司に桃井が声をかけた。
桃井「さすが赤司くん!エレナのピンチを救ってくれてありがとう♪」
赤司「いや……灰崎のしたことは目に余ったからね。副主将としてマネージャーを守るのは当然のことだ。だから気にしないでいい。」
桃井(副主将として……?"男として好きな子を守る"の間違いでしょ~~♡愛だねっ!キャーっ♡)
桃井「あっ!あと、一応赤司くんには伝えておこうと思うんだけど___」
桃井の願い事を聞いた赤司は少し考えを巡らせると、条件付きで許可を出した。
それを聞いた桃井はほっとしたのと同時に自分の肩の荷が降りるような感覚を覚えた。
桃井「ありがとう!赤司くんっさっそく後でエレナにお願いしてみるね!」
赤司「あぁ。頼んだよ。じゃ、俺は戻るよ。」
桃井(ふふっ♪きっとアイツも喜ぶだろうなぁ~♪せっかくチャンス作ってあげるんだからちょっとでも距離縮めてもわらないとっ!!何か楽しみになってきた♪)
桃井は数日後に起こるであろう出来事を想像しながら、楽しい気持ちで片付けに取り組むのであった。