第2章 出会い
青峰が私の動向を見つめる中、少しずつ骨盤の歪みを正常に戻すことに励んでいた。
普段の癖からか体が開こうとする関節を戻そうと反発していた。
青峰の体に負担がかからぬようじっくりと動かしていくと、徐々に強ばりが取れ歪みが調整されてきていた。
(あまり急に弄るのは良くなさそう…)
一先ず筋肉や関節にかかる意識を少し正常に戻させるよう刺激をすることだけを行い、マッサージを終了させる。
「…うん。一先ずこれでいいかな。ゆっくり立ってね?」
青峰はゆっくり立ち上がると、足にすぅっとした感覚があった。
青峰「……あ?…何だこれ?」
最初はただ単に練習によって足に溜まった乳酸や疲れが解消されただけかと思ったが、どうやら違う。
その場で足踏みをすると、着地した足にすとんと重心が乗りやすくなっているように感じられる。
青峰「……よくわかんねーけど………歩きやすい。」
青峰は唖然としたまま言葉を漏らす。
その反応に私はニコリと笑顔を見せるとそのまま青峰の顔を覗きこんだ。
「ふふ♪今日はこんな程度だけど、もっと楽にしてあげるわ?だから、明日の練習後にもう一度マッサージさせてね!」
青峰「~~~お、おう////(だあぁ!もうっ!その笑顔破壊力ハンパねぇって///!!まじ可愛いからっ///)」
口許を押さえながら赤くなる青峰を余所に、私はこちらへ向かってくる足音のほうへ意識を向ける。
___のしっ
「___わぁっ?!」
意識を向けると同時にのし掛かってきた巨体は、私の頭に自分の頭を乗せ、唸っていた。
紫原「あ~~もうヤダ、疲れた。エレナちん~お菓子ちょーだい。」
「あっくん!重いってば~!それに、今はお菓子持ってないけど、帰るときにチョコあげるから頑張って~!」
紫原「えー帰りまで我慢すんのやだなぁ。」
私の頭上でぼやいている紫原の重さにもがくものの、そのまま体を抱き締められてしまう。
紫原「………じゃあ、エレナちん、いい匂いするし、食べちゃおうかな。」
紫原はそう言うとパクっと私の耳を軽くかじった。
「___あっ///!?」
突然の衝撃に私は驚きと共にビクリと体が反応し声が出てしまった。
途端に恥ずかしくなり顔も赤くなってしまう。