第2章 出会い
【青峰大輝】
ミニゲームが終わった後、コーチと話していたら主将を呼んでこいって言われたから、主将を探しにいった。
少し歩いたところにその姿を見つけて駆け寄り見えた光景に、俺は目を見開いたまま足を止めてしまう。
虹村主将がアイツを抱き締めている___?!
瞬間、俺の中に沸き上がる今まで感じたことのない黒い感情。
気がつくと俺の足は二人のいる方へと動きだし、そのまま二人を引き剥がすとアイツの体を自分の腕の中へ引き込んだ。
ここまで全て無意識にやってしまった自分に驚くも、後には引けず、そのままの格好で主将に声をかける。
青峰「主将っコーチが呼んでましたよっ?……こいつは、俺が預かっておくんで行ってください」
途端に目の前の虹村主将の顔がみるみる歪んでいくのがわかる。
俺は尚も挑発的にその目を見つめ返す。
___我ながら火に油を注ぐような発言だったと反省しつつも、エレナを抱き締める腕の力を緩める気は微塵もなかった。
とは言っても、やべえな……
主将、めっちゃキレてんだけど………;;;?!
主将の怒りがあわやピークに達する!……という寸前のところで前主将の高城さんが止めに入り、そのままコーチのもとへと主将を引きずっていった。
グ、グッジョブ!!高城さんっ!タイミングばっちりっす!!
俺はその姿を見送りながら、心中胸を撫で下ろすのであった。
「……大輝っ!暑いってば!」
自分が思っている以上に強い力で抱き締めていたようでエレナは暑い、と文句を言っていた。
その姿すら可愛くて仕方がない、と感じてしまう俺は結構重症なんだろーな。
青峰「あ、あぁ……わりぃ。つい、な?」
ニッと笑顔を向けるとすぐにエレナも笑顔を返してくれる。
「もーっついって意味わかんないしっ!……でも、練習頑張ってたから許してあげよう♪」
俺を見上げて微笑むエレナはとても綺麗で俺はしばらくの間見惚れてしまう。
「あっ!そうだ、足、マッサージさせてくれないかな?…ちょっと負担かかってる感じしたんだよね。」
エレナの突然の提案により、俺の意識は戻され、同時に見惚れていた自分を振り返り顔が熱くなった。
青峰「お、おう。別にいいけど。」