第2章 出会い
無事にゼッケンを配り終え、ミニゲームが始まった。
学年が入り交じったチームでのプレイだったが、やはり赤司、緑間、青峰、紫原、そして高城のポテンシャルの高さには圧巻されてしまう。
それぞれの能力にバラツキはあれど、特に秀でた能力に関しては誰よりも勝っているように感じられた。
所謂、10年に一度いるかいないかの天才的プレーヤーたちのプレーは、それが練習中のミニゲームであっても普通のそれとは空気感が異なっていた。
3年の高城さんは月バスの常連だし、予想出来たけど、他の4人には驚かされた……まだまだ1年で体も出来上がってないのにこれほどまで………見ているだけなのに身震いがする…!
でも、修くんと灰崎くんも……負け時劣らずイイ!!
私は頭の中で彼らの重心移動、体内構造やプレー傾向等を夢中になって観察、分析していった。
当然のように漏れでていた私の独り言は、宙をさ迷うことなく桃井のノートに書き込まれていったのだが、当の私はそんなことも気づくはずなく、ただただ目の前の選手たちに没頭していた。
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ピーーっ
ゲームが終了される笛の音によって、私は意識が体に戻されていく感覚を覚えた。
桃井「…… エレナ、すっごいわ!!短時間でどんだけ見えてるのっ?!ってゆうか凄すぎ!!~~っまとめがいがあるわぁ♪♪」
今更ながらメモを取られていたことに気づくも、横にいた桃井は既にホクホク顔でノートを握りしめたまま去っていった。
何だか複雑な思いに駆られていると、そこに息の上がった虹村と高城が寄ってきた。
虹村「はぁーっどうよ?イイデータは取れたかぁ?」
高城「って言ってもこんな短時間のミニゲームだけじゃ、わかんねーことも多いだろうけど…。昨日の今日なのに色々と悪いな?」
高城はニイッと無邪気に笑うと私の頭をポンポンと撫でた。
その仕草から、確かに桃井が惚れるのも分かるくらいのイケメンぶりと懐の深さを体感した。
虹村「……いやいや、類さんっこいつスゲーんだって!俺、始まる前に指先のケアしてもらったんですけど、驚くほど指がうまく動いてビビったぐらいですから!」
そう言いながら虹村は私を高城から取り戻すべく自分の方へと抱き寄せた。
そのまま気がつくと私の肩には虹村の腕が回されていた。