第2章 出会い
【赤司征十郎】
この俺が余裕をなくすなどそうあることではない。
いつも、感情をコントロールして生活している俺は、どのような場面であっても、取り乱す等ということは決してない。
……だが、彼女に関してだけはうまくいかないことが多い。
今も紫原がエレナに抱きついたことに怒り心頭し、態度に出してしまった。
だが、彼女が俺の頬に触れ、微笑みかけてきたのを見るとすぐに心が暖かくなり、解れていく。
この赤司征十郎ともあろう俺が一人の女に翻弄されている___
普通であれば、許されないそのことも
彼女であれば許してしまう。
あぁ……
俺は心底、エレナを愛しているようだ。
今も青峰たちにその綺麗な笑顔を向け、楽しそうに振る舞う姿を見つめながら、俺は胸を焦がしていく。
エレナがその魅力で人を魅了していくのは今に始まった話ではない。
やはり、これからも俺が傍にいて守っていこう。
その愛しく可憐に笑う君を___